人が何かを思い出すとき、それは過去の“習慣”だったりすることが多い。 わたしの場合、小学校にあがるまでの記憶はあまりないのに、家から保育園まで三輪車に乗って母親と通っていたことだけははっきり覚えていたりする。
誰にだって、憧れの人がいると思う。 それは、テレビ画面の向こうに映る俳優かもしれないし、140字でつぶやいた言葉にたくさんのハートが寄せられるツイッタラーかもしれない。 もしくは、どんな仕事でもテキパキこなす会社の先輩かもしれないし、何をやらせ…
私が敬愛してやまないライター、カツセマサヒコさんが5日間に渡る連載小説を公開した。 shibuya-scramble.tokyo タイトルは「彼女の匂いがわからない」。 そのシンプルな題名に、心臓の一部がキュッとつままれるような切なさを覚えた。
午後11:30、戦争は静かに幕を開ける。 夕飯もお風呂も済ませ、PCでの作業を終えた彼はテレビの前に置いてある任天堂Switchをベッドまで持っていく。 「スプラトゥーン2」のゲームBGMが、隣の部屋から微かに漏れてきた。 これは、一種の合図である。
毎週、土曜日の夜。 私と彼は、決まって近くの銭湯に行く。 いつからこれが習慣づいたのかは分からない。 お酒もタバコもギャンブルもしない彼の唯一のストレス発散法が、いつの間にか土曜日の儀式のようになっていた。
題名の通りである。 昨日の夜、彼と喧嘩をしたのだ。 原因は単純なもの。
毎年この時期になると、髪を明るく染めたくなる。 きっと、そう感じているのは私だけじゃない。 大学の校舎で、電車のホームで、駅前のショッピングモールで。 日常のいたるところで見かける明るい頭髪の多さが、それを証明している。
子どものころ、不思議に思っていたことがあった。 「お母さんは、なぜ20円高いほうの醤油を買うのか」 目の前の棚には、黒色の液体が入ったボトルが何本も陳列されている。 同じ「醤油」というジャンルでも、いくつか種類があるようだ。 母は、容器の大きさ…
「あすか、ピアス開けてないんだ。意外」 大学に入ってから、よく言われるセリフのひとつだった。 どうやら私は「ピアスを開けてそうな女の子」というカテゴリーに自動的に分類されることが多いらしい。 右手の親指と人差し指で、髪に隠れた薄い耳たぶを触る…
これは、この間起こった出来事の話。 その日は雲ひとつない青空で、私は最寄駅のホームにぼーっと立ちながら電車を待っていた。 3ヶ月ぶりに実家に帰ろうと、いつもより少し重いリュックを背負いながら。 予定時刻通りにやってきた電車に乗り込んで、迷わず…
彼は、3つ上の先輩だった。私は大学1年生。 正直、第一印象とか覚えてない。 なにをきっかけに、彼のことを好きになったのかすら忘れたけど「好き」ってそんなもんかなと思う。 気づいたら好きでした、みたいな。(いい加減)
歌うことが、たまらなく好きだ。 勉強をしているときも、車を運転しているときも、夕飯を作っているときも、気付いたら歌をうたっている。 そして困ったことに、たいていの場合は歌うほうに集中してしまう。そのせいで、「作業が終わらない」ということもし…
私と彼は、夕飯を済ませたあとによく車でコンビニへ行く。 「太る」「節約しなきゃ」と言いながらもお菓子とジュースを買って帰るのだ。 いつのことかは忘れたが(たぶん2週間前くらい) その日も私たちは車でコンビニへ向かい、いつものようにお菓子とジュ…
最近、忘れやすくなった気がする。 ソファから腰をあげてキッチンの方へ向かい、冷蔵庫を開けたところで「あれ、何を取りに来たんだっけ」となることが多くなったし、芸能人の名前や、昔流行ったJ-POPソングのタイトルがパッと出てこない。 というか、今、何…